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週末引きこもり [読了]

この週末はほぼ引きこもって澁澤龍彦「血と薔薇コレクション 1」三島由紀夫「サド侯爵夫人」大塚英志「サブカルチャー文学論」を読んでました。小熊英二「対話の回路―小熊英二対談集」は図書館から返してくれCallが来てしまったので、物凄い勢いで斜め読みして返却。 あと、合間に漫画3冊。

「血と薔薇~」はこの前小谷真理の「テクノゴシック」を読んだばかりなので、その比較としても面白かった。「血と薔薇」が戦前の中産階級子弟の性的空想の再生だとしたら、「テクノゴシック」は更にその劣化コピーという感じ。両方とも「吸血鬼」とか特集してる。まあ、「テクノ~」は小谷女史なので最後は必ずジェンダー論で締めくくるのと、評論なのにやたらと装飾的な文章を散りばめる(そして多分自分で酔ってる)のがちょいウザ(笑)あと、現代のゴスロリの9割がちょっと・・・なレベルなように唐十郎や澁澤龍彦が扮するバタイユをモチーフとしたコスプレ写真も非常に微妙です(笑)

「サド侯爵夫人」は来月芝居を観にいくのでその予習。これも澁澤龍彦のエッセイを三島由紀夫が戯曲化したもの。主人公のサド侯爵夫人はMなのに要求が多くて「この人、絶対捕まると判ってて脱獄の手引きしてるだろう」とか邪推してしまいましたよ。ただあくまでも彼女は無意識で行っていることなので、ラスト夫からの最後通牒に関しては対決しないで修道院に隠遁する道をとったのは、史実だから仕方ないとしてもつまんないです。一応劇の構造上としてはラスト1台詞が驚きの結末!みたいになってますが。

「サブカルチャー文学論」はまだ取り掛かったばかりですが(江藤淳の章)、目次をみると60年代~90年代前半の文学界の評論集みたい。でも670ページ46上製で2800円ってどうなんだろう。重くて腕が疲れてくるよ。並製で2巻本、定価各1400円(という価格設定が可能なのかよくわかりませんが)の方がいいんじゃないのかしら?本その物の重厚さは購入を躊躇させる要因となり得る(少なくとも私には)ように思います。

漫画3冊
もやしもん 1 (1)」農大のキャンパスライフと小泉武夫の発酵食品的ネタ、菌や真菌(かび)の可愛らしさで話は進んでいく・・。2巻への予告は風雲急を告げてますが、1巻は「動物のお医者さん」の男子向けバージョンという感じです。

週刊石川雅之」同じ著者の短編集。時代物とか田舎物はいいんだけど、都会・郊外が舞台となると絵柄がちょっと古いんですわ。でも内容は◎。鶏の父子の話にしんみり。

ヴィンランド・サガ 1 (1)」愛読誌「アフタヌーン」に連載が移動、ということで。11世紀が舞台のヴァイキング物。グリーンランドに人は住んでたんですか、へ~。時代考証がかなり緻密に表現されているので、キャラクターの極端なデフォルメはやめて欲しいなあ。あの短剣で首は飛ばないでしょう。ストーリーは正直はじまったばかりでなんとも言えない段階なのですが、結構シビアな展開になりそうな予感。 

血と薔薇コレクション 1

血と薔薇コレクション 1

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2005/10/05
  • メディア: 文庫


サド侯爵夫人・わが友ヒットラー

サド侯爵夫人・わが友ヒットラー

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1979/04
  • メディア: 文庫


サブカルチャー文学論

サブカルチャー文学論

  • 作者: 大塚 英志
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2004/02/14
  • メディア: 単行本


テクノゴシック

テクノゴシック

  • 作者: 小谷 真理
  • 出版社/メーカー: ホーム社
  • 発売日: 2005/08
  • メディア: 単行本


もやしもん 1 (1)

もやしもん 1 (1)

  • 作者: 石川 雅之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/05/23
  • メディア: コミック


週刊石川雅之

週刊石川雅之

  • 作者: 石川 雅之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/02/21
  • メディア: コミック


ヴィンランド・サガ 1 (1)

ヴィンランド・サガ 1 (1)

  • 作者: 幸村 誠
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/07/15
  • メディア: コミック


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